タイトル『鎧鏡獣ミラッシュ』(2004)

 怪獣好きの友人のアイデアを元に、私の想像を加えて怪獣をデザイン、立体化した。完成した怪獣=ミラッシュをデジカメで撮影。それと東京都内で撮影した写真をパソコンに取り込み、Photoshopというソフトで合成する。illustratorでロゴを作成して組み合わせて完成。

 ミラッシュは、アルミ製針金とスタイロフォームで芯を制作。それにラドール(石粉粘土)で肉付け。細工には、各種スパチュラと彫刻刀やデザインカッターを使って、ラドールを盛ったり削ったりの繰り返し。乾燥後紙ヤスリで磨いて、アクリル絵の具で彩色。羽は透明の薄いプラ板。つや出しメディウムを塗り、身体の各所に“鏡”を表現するための反射シールを貼り、完成。

 全身に鏡があって、敵(?笑)の攻撃を全て跳ね返すという友人のアイデアだったのだが、それをどう立体で表現するかかなり悩んだ。アルミホイルを貼ろうかと考えたことも。素材探しで、東急ハンズをウロウロして、偶然銀色の反射シールを発見して、なんとか解決した。

 透明な羽は自分のアイデアだが、立体化はかなり失敗に近い。定規などで測らずに目分量で作ったので、左右の長さが違う。粘土と羽になるプラ板の付け方も、色を塗った後にボンドでつけたのだが、ボンドがはみ出たりして、汚い。諸々のボロを、Photoshop 上でレタッチを入れてごまかしている。

 立体は実際に作ってみないと、どこが立体化の問題点なのか具体的に分からない。それが面白さでもあるし、苦労するところ。マンガ絵みたいに形をあいまいにできないから、どうにかして自分なりの造形解釈を形にするしかない。

 私としては、一人で成田亨と高山良策(和製特撮好きには分かる偉大な方達)の二役を演じた気分で作成した。

 この合成作品は、某特撮雑誌に投稿し、採用された。