タイトル『京都買います(2002)

 円谷プロのドラマ『怪奇大作戦』(1968年)第25話『京都買います』より。某特撮雑誌に投稿するために制作。結果はボツ。

 制作過程は前ページ『死神の子守唄』と同じ。『怪奇』の基本ストーリーも、前ページ『死神の子守唄のページを参照して下さい。

『京都買います』は、『怪奇』の中でも好きな話。SRI の牧(岸田森)が好きで、彼の主役回なのも好きな理由。『死神の子守唄』も本作も、監督はマニアに人気の実相寺昭雄。私も彼の作風は好きである。好きが重なって、この話をイラスト化したくなった。

 考古学者の教授とその助手の美弥子が、京都の美しい仏像を守り、仏像だけの都を作るために、物質電送装置を使って京都の仏像を盗むというストーリー。

 仏像を愛するあまり俗世の男に全く関心のない美弥子。彼女が愛してしまったのが、仏像盗難事件を追うSRI の牧だった。牧も俗世の女性に興味を抱かないタイプだったが、美弥子に惹かれていく。しかし物質電送装置を発見・解明したのは、牧だった。教授は逮捕され、牧に裏切られた(SRI の使命はまっとうしたのだが)美弥子は・・・。

 ラスト。傷心の牧が訪れた京都のある寺で、ある尼僧に会う。彼女は美弥子だった。尼僧は「美弥子は一生仏像とともに暮らす」と呟くや、牧の前で仏像と化した・・・。 

 イラストでは美弥子が仏像になってしまった(?)ことに対する牧の衝撃と、牧に裏切られた美弥子の哀しみを描きたかった。仏像の額のデザインは、ビデオで確認がとれず、想像で描いてしまった。実際は違うデザイン。

 不採用だし、描き間違いもあるが、気に入ってる作品。